管理人冬灯による日記です。
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なんとなく思いついたネタを、高校時代に友人と考えていたネタに融合させてみた。
勝手にスイマセン。
そして意味なんてない。
メモしたかっただけなんです。はい。
勝手にスイマセン。
そして意味なんてない。
メモしたかっただけなんです。はい。
「どうしてニンゲンに発情期がないか君は知ってるかい?」
「…は、」
いつものごとく唐突な問いかけ。
発した相手の意図も答えも、自分は理解できずまた持ち合わせていないことを彼は十分知っているため、
こちらがどもっている間に「それはね、」と答えを提示し始めた。
「それはね、いつでも数を殖やせるようにするためさ」
くるり、と革張りの椅子を回転させ、得意そうに続ける。
「君も知っている通り、ニンゲンの特に赤ん坊の生存能力はとてもとても低い。外に放っておいたらあっというまに野垂れ死にさ。どっかの誰かさんが拾って面倒見てあげない限りね」
「…」
「だからたくさん子供を産む。季節に関係なく生殖活動ができる。その分多くの子供も、ついでに母体も死ぬから」
彼の彼的論理を聞きながら、何を言わんとしているのかを思考する。
長い付き合いになるとはいえ、あまりにも高度な彼の頭の中を理解しようとすることなど不可能に近い。
近い、ということは可能性はあるということ。
それも彼に教えられたこと、だ。
「…人が増えるのは、出産に関するリスクが減った、ということですか」
「それもある。別に悪いことだとは言わない。技術の進歩もニンゲンの欲求だからね」
僕はね、と彼は黒い机に頬杖をついて自分を見上げる。
「ちょいと思ったのさ。弱いから多く産んで殖えて不都合なことが多いのなら、いっそ最初から強かったらどうだろう、って」
「最初から…?」
「そう。最初っから強い子供。生まれてすぐ自力で動いて思考し生きることができるとか。出生時の死ぬ確率が減れば産む数も少なくて、結果的に殖え過ぎたりしないんじゃないかなぁと思うんだけど」
「…色々と矛盾が含まれているのでは」
「まぁね、それは重々承知さ。だってついさっきなんとなく思いついただけだもの。でもさ、強すぎる人類と弱すぎる人類で生態系とかのバランスをうまく調節できる気がしない?」
「…どうでしょうか」
ため息交じりに呟くと彼はくつくつと笑った。
「さてどうだろうね?でも、アイディアを練り上げていくのも面白いだろ?やってみる価値はあると思うんだよね、実験とか」
ここまで楽しそうに話している様子だと、彼の思考にはすでに実践しか選択肢がないのだろう。
例え失敗したとしても後悔は決してしない。
彼はただ、思いついたことをとりあえずやってみることが好きなだけなのだ。
それだけの力と立場を持つ彼の前で、自分たちは駒と化す。
彼という神が作りだす箱庭を構成する一要素としてー
世界を、動かす。
「では、計画はなんと名付けますか?」
「うーんそうだなぁ…そうだねぇ、」
彼はしばらく考え、閃いたように指を鳴らした。
「僕にこのアイディアのヒントをくれたあの人にあやかって、名付けよう」
「”ヴァンパイア・チルドレン”計画、だ」
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