2009/02/27 (Fri) 星空守護者見習い

とりあえずまだ途中だけど宇宙警察学校企画の設定をまとめてみました。
いつになったら始動できるかわかりませんが、興味もってくれた方がいるといいな。
えーと、この企画は簡単に言いますと、
ひとつの世界観の中でキャラクターを作って交流したりお話作りませんか?というものです。
人のキャラを動かさせてもらったり、自分のキャラを動かしてもらったり、
一緒に話を考えたり語り合ったりするそんな感じです。
うーんとなんていうか、あれです。
みんなで同人作っちゃおうぜ、みたいな。
ただし版権じゃないんだぜ、ある意味みんながオリジなんだぜ、みたいな…みたいな。
自分でもよくわかってないのに人を巻き込もうとしてるのか。だからまだ試行錯誤の最中なんだって。
もっと具体的に分かるようにするために色々設定を練ります。
歴史とか…惑星とか…種族とか…
でもあまり特定しすぎない方が色んなキャラが出てきて面白いかな？ともおもうんですけどね。
あ、私もキャラ作りますよ。
あれです、なんかゲームとかの案内役というかCPキャラというか固定キャラというかそんな感じの。
私が話し作るときはそいつらが主役になるんだと思います。
自分で作ったキャラが主役です。
オンラインのRPGみたいな？といっても私マビノギしかやったことないからわからないけど…あんな感じ。
追記に色々書いてますので、なんとなく興味持たれた方はどうぞ読んでみてください。
文字ばかりな上に中途半端なのであれですけど…そのうち付けたします。

さて…寮に一旦戻るか…

・初めに
大陽暦7000年、惑星間の交流が活発になった世界の話。
ここには「0(大陽)」を中心とした9つの惑星が大陽連合(ノネット)を結成し、
惑星間の人や物資の移動、文化や技術の共有、政治的外交に役立てていた。
人や物が行き交うようになれば惑星を跨いで犯罪も起きる。
他の星に逃げ込まれては逮捕できないとかそもそも立ち入れないとか面倒なことが色々あったため、
連合は全ての星と全ての種族について調査・逮捕・裁判・保護の権利を持つ警察組織を設立し、
犯罪の防止や対策を宇宙規模で行うようになった。
更に人材育成と教育のために、巨大な宇宙ステーション1つを警察学校とし、
全ての惑星の全ての種族から、入学試験をパスしたものならば誰でも学ぶことができることとした。
この警察学校が物語の舞台である。

・入学、卒業、留年について
警察学校は試験さえパスすれば誰でも入れるため、生徒の年齢も様々である。
もっとも多いのは成人未満の若者であるが、種族によって成人年齢もマチマチなので若干ややこしい
(連合では登録されてる種族に対しては成人年齢を把握しており、それに基づいて少年法や選挙制度を作っている)
「入口出口が狭すぎるキャンディー型」と言われるように卒業試験も非常に難関で、毎年何十人もの落第者を出している。
そのため通常3年で卒業のところ、6年生8年生もざらにいる。飛び級はない。
９年目に卒業できなければ強制退学となる。だがそこまで粘らず大抵は諦めて自主退学する。
更に正式な警察官でも職務の罰則として1年間の学びなおしを課せられることもあるため、
同じ講義に本物の警察官が出ていることもある。
３年まではカリキュラムが組まれているが、4年以降は3年間学んだことを超初級(小学生レベル)から全て学び直しの単位制となる。
留年を重ねると毎年この繰り返しとなるため、屈辱に耐えきれず辞めてくものが多い。
また担任は学年持ち上がりなので卒業するまで同じ担任となり、受け持った生徒が卒業または退学するまで面倒をみなければならない。
ある生徒が3年で卒業できなかった場合、担任はこの新4年生と新1年生を見ることとなる。
そのため新しいクラスには副担任も付く。
新しいクラスでまた留年者が出て前の留年者も残っていた場合、両方を1つのクラスにまとめて面倒をみることになる。

・学科について
学科は警察組織に合わせて「刑事科」「情報科」「調査科」「技術科」「法務科」があり、秘密裏に「特殊科」もある。
どの学科でも一般の高等学校で学ぶ基本の教科(言語・数学・理科・社会・体育・”家庭・音楽・美術”←この3つは選択)の他にその科ならではの講義もある。
…「刑事科」は基本で最も生徒数も多い。男女比は男の方が多い。1学年2クラス
主に法制度、調査方法、逮捕術、対話法、心構え等を学ぶ。体力基本。
交番勤務から検挙率No１刑事まで掲げる目標も様々な生徒がいる。
…「情報科」は刑事科の次に多い。男女比は女の方が多い。1学年2クラス
主に多言語、交渉術、資料読解などを学ぶ。
管制官やオペレータを目標としている。
また警察の顔として広告塔や宣伝を行うために、アイドル的要素を必要とする「イメージコース」がある。
イメージコースの生徒は警察学校の宣伝も行ったりする。
…「調査科」は「鑑識・科学捜査コース」「法医学コース」に分かれている。少人数。1学年1クラス
鑑識・科学捜査コースはその名の通り鑑識や科学捜査の技術を学ぶ学科であり、
鑑識班、文書班、鑑定班、心理班など更に細かく分けられているため、
他の科からすれば内情はよくわからない。
法医学コースは医療、解剖学を学ぶ。
途中から監察医でなく医者を目指すようになる者もよくいる。
…「技術科」も少人数。「デザインコース」「開発コース」「大型機械コース」に分かれている。1学年1クラス
警察で使用される様々なもの、車両や拳銃、手錠などの改良や研究開発を行う。
警察のマスコットキャラや制服などのデザインを考えたのもデザインコースであり、
各コースで連携して製作することも多い。
変わり者が多いことでも有名。
…「法務科」は少人数かつエリート。1学年1クラス
現場に出るというよりは組織をまとめたり他の団体との交渉や取引を行う人材を育てる学科。
法律や制度、交渉、言語、政治をよく学ぶ。
頭の固いエリート気質が多く、また親が官僚だったり警察上層部の人間だったりするパターンが多い。
検察や弁護士、裁判官になるパターンも多々ある。
…「特殊科」は謎。あるということは知られているが誰かは分からない。全学年合同
入学時や期末試験や成績が優秀な生徒をスカウトし、高度な訓練を受けさせるらしい。
卒業後は凶悪犯罪や難解な事件に当てられる特殊チームに配属されるケースが多い。
また、在学中でも特殊チームに参加し任務に当たる場合もあるらしい。
任命は学長命令であり、一般には問題児と思われている生徒もいたりする。

・ステーション内施設・イベントについて
各科は校舎が分かれているため合同授業はあまりないが、寮や食堂、行事や式典で交流している。
…全寮制で寮は男女別、行き来は禁止。同学年2人部屋。同室変更はあまりない。
同室だから同じ科というわけでなく、学年でシャッフルして割り当てられる。
居室にはベッド、机、棚、冷蔵庫、レンジ、簡易コンロ、シャワーが標準装備。
私物の持込可能で勝手にコーディネートしてる生徒がいれば、これは要らないと勝手に外に出してる生徒もいる。
各階に談話室、共同台所、トイレ、倉庫がある。
１階に男女共同の食堂があり、簡単な購買もある。←１階のみ寮が繋がっている
２階が１年、３階が２年、４階が３年。
５階に浴場とフィットネス施設。５階にあるのは眺めがいいからという理由。
留年者は別の寮に入ることになる。別名「停留所」。
職員宿舎の隣にある。造りはほぼ同じだが１人部屋。
職員宿舎は普通のマンションと同じ感じで１部屋１部屋が居住スペースになっている。広い。
共有スペースは最上階の談話室とフィットネス施設くらい。
週末になると仲がいい先生で集まり飲み会を開いていたりするらしい。
職員宿舎以外はペット禁止であるが、パートナーとしてなければ生命・生活に関わる場合は認められている。
(寄生型や共生型、使い魔型など)
…校舎は食堂や購買、職員室、図書館、保健室、集会ホールのある本校舎(０棟と呼ばれる)、
各科の棟が5つ(特殊科は地下施設。立ち入り禁止な為知らない生徒が多い)、
体育館が2つ(プール尽き)、グラウンド2つ、大型倉庫、訓練施設、部活棟から成り、
本校舎を中心に渡り廊下で繋がっている。
…学校外施設として外部との行き来をするための港、畑など栽培をする農業施設、
大型病院、娯楽施設(ショッピングセンターや映画館など)があり、
そこで働いている人たちの居住区もある。
この居住区出身の生徒でも寮から通うことになる。
…学校のイベントは様々あり、生徒たちの思いつきで増えたりもする。
入学式、新入生歓迎会、キャンプ、学園祭、体育祭、卒業生祝賀会、卒業式という流れ。
2年時には修学旅行があり、旅行先は各惑星から選べる。
なお修学旅行ではその現地の現場での訓練も含まれる。
…部活は5人以上から設立許可を得られる。
色々あるけど色々ありすぎて把握できないものもある。
柔道でも剣道でもなくバスケ部がやたら強い。宇宙大会優勝経験あり。
…寮食堂や学校外施設ではアルバイトが認められている。
ただし授業のサボりや1つでも試験を落とすと即刻辞めさせられ、他の施設でのアルバイトは認められなくなる。
…生徒会など各種委員会がある。
学生のトップに立つ生徒会を中心に、保健委員会、風紀委員会、図書委員会、環境委員会、行事運営委員会となっている。
生徒会は選挙、他は各クラスから1名ずつ出し、3年生が委員長となる。
各種委員会に留年者は含まれないが意見番として頼りにされる場合もある。

・服装について。
入学時に制服、制帽が支給される。
制服は紺色のブレザーで上着と学科色のネクタイのみ。髪型や中と下は自由だがあくまで学生であることを意識した服装とすること。
過度な露出、装飾は認められない。風紀委員に捕まり反省文とペナルティ(全廊下磨き)が課せられる。
また右腕には学年と学科を示す腕章をつけることとなっている。
(学年色は1年：黄色、2年：青、3年：赤、留年：黒。腕章には帯色となる)
(学科は星型の金属プレートで刑事：赤、情報：橙、調査：青、技術：緑、法務：紫。特殊はそれぞれ所属する科のもの)
制帽は式典では必ず被ることとなっているが、それ以外は省略してよい。
色はブレザーと同じ紺色で鍔の部分のみ黒。学科を示す星型プレートと学年を示す色のリボンが付いている。
また、制服の他に体育や訓練の時に着るジャージがある(女子は白で男子は黒。学科を示す星の刺繍と名前入り。学年を示すものはない)
技術科にはカーキ色の作業着(ツナギ。腕章はワッペンとして一体化)、調査科には白衣がそれぞれ特別に支給される。
これらの制服類は学校内の購買でも買うことができる。
卒業時に腕章を交換する風習もある。
技術科のデザインコースが制服等を考案している。
変更を提案したときは全校集会を開き投票次第で変わることもある。
現在の制服は5年前に変更されたものである。
ちなみにこのデザインをした生徒は今はデザイナーとして働いている。

・教師について
基本の教科(言語・数学・理科・社会・体育・家庭・音楽・美術）は普通の大学を出た教員がほとんど。
各学科の特殊教科は元警察官の場合が多い。
中には現役の警察官が特別に授業に招かれ教える場合もある。
元警察官は一度教育免許を得るための試験を受けなければならなかったりする。
自ら志願して教師になるものが多いが、中には諸事情から警官をやめ勧められてなるものもいる。
教師は成人以上でなければならない(教員免許試験は成人以上でなければ受けられないため)
普通大学出身の教師は特殊なことが多い警察学校の雰囲気にのまれたりびびったり逆に楽しんだりしている。
クラス担任の場合は入学してから卒業するまで面倒をみなければならないので、生徒との結びつきが強い。
留年者を出したら減俸らしい。
あまりにも留年者を出し過ぎた場合、教師の責任として辞めさせられることもある。

世界について
・大型恒星「セロ(０、大陽)」を中心とする9つの惑星と多数の小型の星からなる宇宙の一部が舞台となっている。
セロから近い順に第1惑星「ファスト」、第2惑星「セカン」、第3惑星「サース」、第4惑星「フォー」、第5惑星「イフ」、第6惑星「シクス」、第7惑星「セブン」、第8惑星「エイター」、第9惑星「ナイン」がある。
1から順に古い星であり、惑星間はワープポートによってほとんど距離に関係なく物資や人の運搬ができる。
最も栄えている星は「サース」であり大陽連合の中心となっていて、連合の主要施設の本部も大体この星にある。
連合警察本部も「サース」にある。
人口が最も多いのもこの星、次いで「フォー」「イフ」となり「ファスト」と「ナイン」は住める環境でないため研究者や開拓者くらいしかいない。

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2008/12/10 (Wed) 憂神歳人奇譚

という仮タイトルのオリジ漫画考えてますー。
絵板に落書きしてるのがそれ。
舞台は中国とか日本とかをごっちゃまぜにした感じ。
政治制度とか考えるのが楽しかったです。
なんだろう、宮中の物語って言ってしまえば簡単なのか？
お城の話…城じゃないけど。
簡単に言ってしまえば、
神様の依代に選ばれた主人公とそれを取り巻く人々の物語。
何も見えてこねー。
小ネタはちょこちょこできてきたので、ちょこちょこ描いていけたらなぁとか思ってます。
神封じも描きますよ…はいっ
でもその前に原稿ですね。
今日やっと扉絵以外のペン入れが終了しました。
今日は消しゴムかけてベタ塗りに入りたいと思います。じゅわ！

追記にそんなオリジ漫画のネタメモ。
主人公とその護衛話。

「チハヤー、チハヤいるんだろチハヤー」
りりん、と衣についた鈴を鳴らしながら、長い板敷の廊下を神様の器は歩いている。
「かしーなぁ、近くにいるのはわかってんだけど…」
ぼやきながらも別段急いでる様子もないようで、どことなく楽しげにきょろきょろと首を巡らせる。
りりん、りりん。
その軽やかな鈴の音を聞きながら、少女は其の人の後を付いていく。
音もなく、影もなく。
黙々と周囲に気をかけながらついていく。
「せっかくアキラからめずらしーもんもらったから一緒に食おうと思ってたのになぁ…早くしねーとヒュウガ達に見つかっちまうしなぁ…」
ぶつぶつと独り言をもらしながら手に持つ小さな袋を見ている。
「おーいチハヤー、おーい」
少女は―チハヤは、
おもむろに足を踏み出した。

「―お呼びでしょうか、歳人様」
「どわぉ!?」
聞き覚えのある声がしたと思ったら、突然目の前に逆さまになった人物が現れ思わず後ろに下がる。
りりりん。
「な、お、チハヤっ!?なんで天井から出てくんだよ!?しかも逆さまっ!?」
「天井裏にて控えておりました」
平坦な声の主は布で顔を覆ってしまっているが、黒装束に包まれた体の線からはっきりと少女であるとよくわかる。
「天井…この前は床下だったよな…」
「はい」
それっていったいどうなわけと思うが、それが彼女の務めだと言われるだけなので言葉を飲み込む。
彼女、チハヤは自分の警護役で、本当は自分とは直接会うことも話もすることもダメなのだという。
けどなぁ、とソウジは思う。
格式とか序列とかよくわかんない色んなしきたりでこの社会はうまくいくようになっているのだろうけど、
でも、助けられたならちゃんとありがとうとか言いたいよなぁ、なんて、うまく言えないけれど。
「なんのご用でしょうか？」
「ああそうだった。これさ、アキラから貰ったんだよ。砂糖菓子らしいんだけどさ、綺麗だろ？」
言って子袋からとげとげした空色の粒を取り出す。
「金平糖っていうんだって」
「はい」
「あっ知ってるの？」
「…はい」
「そうか、知らないの俺だけなのか…だからアキラがすげーにまにま笑ってたんだなあのやろー…」
庶民どころか辺境の貧乏人には縁遠くても、国の中心の貴族階級には普通のものらしい。
きらきらした宝石のような菓子が、なんだか重いもののように見えた。
「…ですが…」
「あ、何？」
「食したことは、ありません…」
「…」
「…」
「…そっか、」
「はい」
顔は見えないけれど、天井からつり下がってものすごくおかしな状況だけど。
でも、チハヤが自分が気を病まないよう気を使ってくれたのはなんとなくわかった。
なんとなくわかったから、なんだかとても嬉しくて、照れくさくて、笑ってしまう。
「それじゃ、半分こな！あっとこれでよし、と、はいチハヤの分」
手拭いを出して袋の中身を半分移してそれで包む。
そして袋の方を彼女へ。
「………」
間があって、逆さまのまま受け取ると、少女は小さく呟いて消えた。
相変わらず行動の素早さに付いていけないなぁと思いながらぽかんと立ち尽くす。
桃色のきらきら星を一粒口に含んでみた。
「甘い」
きっとこれは貴重な甘さ。
けれど顔が綻ぶのはそのせいだけでなく。
「…こっちこそ、いつもありがと」
微かな優しい言葉のせい。

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2008/10/31 (Fri) 旅ゆく人

ふと思い浮かんだから。
何かのネタからきてると言えなくもないような気がしなくもない（どっちだ）
全部平仮名は非常に読みづらいが勘弁。
さぁ寝よう。

きみはどこからきたの？
きみはどこにいくの？
わたしはいっしょにいけないの？
いつかここにかえってくるの？

ぼくはずっとここにいたよ
ぼくはずっとここにいるよ
きみにはぼくがみえなかっただけ
そしてまたみえなくなるだけ
だからきみといっしょにいるよ
そっとあたたかをまもっているよ
いつかまたきみにぼくがみえたら
そのときはきっとわらっていって

おかえりってなまえをよんで

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2008/10/08 (Wed) ある師匠と弟子

ネタメモ。一場面だけ。
今日は眠くてやってられない。

辺境の小さな町の小さな聖所。
大量の本と紙の山に囲まれて男が机に向かっている。
背の高い細い体躯をラフなシャツとベスト、ズボンに包んだ男はこの聖所の主とも言えるが、
それらしい制服は壁にハンガーで吊るされてしまっているため、今はただの人にすぎない。
「師匠、お茶が入りました、入りますね」
がちゃりと戸を開けて入ってきた少女は、部屋の雑然っぷりに顔をしかめる。
「またこんなに散らかして…私はここに整理整頓を学びに来たんじゃありませんよ師匠」
「師のサポートをするのが弟子の務めではないですか？マリー」
「…まぁ、そうです、けど…」
男は少女からカップを受け取り口を付け、熱いと言って慌てて冷ましに掛る。
「少し温めに入れてほしいと言ってるじゃないですか…」
「紅茶は熱々のお湯で入れるから美味しいんです。どうせ冷めるからいいんです」
「はぁ、そうですねぇ」
湯気で眼鏡が曇って表情はよく伺えない。
前が見えなくて困るだろうにと少女はいつも思うが、男にとってはどうでもいいことらしかった。
「原稿、間に合いそうなんですか？シェリーさんが取りに来るのは確か明後日でしたよね？」
「マリー、間に合いそう、ではありません」
「は？」
「間に合わせるんですよ。どんな手段を用いても…一日は24時間、その日と定められているなら、23時59分59秒までになんとかするんですよ」
「…」
今回も間に合わず敏腕編集者に脅されながら仕上げるんだろうな、と少女は思った。

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2008/08/27 (Wed) 多分きっとあなたは、夢の人

タイトルお題の消化しますー。
久しぶりにネタが浮かんだから。
書いてみて結構きわどいネタだったと気づく。
ちょっとネタバレ＞でも妹は兄に恋するものだと聞いたのでそういうものかなと思った。＜終わり
どうでもいいネタバレ。

多分きっとあなたは、夢の人

真っ暗闇にぱちりと目が覚めた。
やたら賑やかで人懐っこい悪夢だった気がする。
だるくて疲れて寝れリャしない。
時刻は午前1時過ぎ。
ころころベッドで転がってみたって、
床に立ってストレッチしたって眠れない。
むしろ冷たい床の感触で余計に目が冴えちゃった。
サイアク。

イライラはお肌に良くないから、
ストレス溜めないようにケイタイを開く。
光る液晶パネルは指先一つで画面が変わる。
新規作成。
アドレス呼び出し。
タイトル「こちらお姫様」
本文「姫がお呼びです。召使は今すぐ参れ」
送信。
あ、写真でも貼ればよかった。まぁいいや。
ケイタイを閉じて投げ出して、
またころころと横になる。
一分経っても3分経ってもケイタイはピクリとも動かない。
なんて使えない召使。
あいつはいっそ首にするべきね。
センター問い合わせも空振りで、
ムカっとして放り投げた。

ころころ、ころころ。
ころころ、ころり。
眠れない、眠らない。
姫が呼んでるんだから早く着なさい。
眠れないのなんとかしてよ。
近くにいるくせに聴こえないフリは止めなさい。
無視なんて論外よ。
こんな時間だから？
時間なんて関係ないの。
姫が起きているのなら召使だって起きてるべき。
そうでしょ？
そうだと言いなさいよ。
そんなに私はわがままかしら。
眠れないのをなんとかしたいだけ。
あなたならできるから、呼んでいるのよ。
ねえ、やっぱり、だめかな。
ころころ、ころころ。
ころころ。
ころり。

眩しい光にゆるゆると瞼を上げた。
いつもの私の部屋の中。
ぼんやりとベッドの上を探ってみてもケイタイが見当たらない。
はて？
ああそうか放り投げたんだっけ。
見れば小さいテーブルの上にちょこんと置いてある。
ぱかりと開く、
新着メール二件。
一通目、午前一時過ぎ。
タイトル「こちら召使」
本文「かしこまりましたお姫様、直ちに参ります」
二通目、午前六時過ぎ。
タイトル「こちら召使」
本文「早朝の仕事がございますのでこれにて失礼。証拠はこちら」
スクロールして添付写真にムッとする。
もっと可愛く撮りなさいよ、寝顔くらい。
ぱたんと閉じてベッドに放り投げ、とりあえず着替える。
ぱたぱたとスリッパを鳴らしながら部屋をでて、
通り過ぎるついでに隣の部屋のドアにパンチ。
あんな写真いつでも撮れる。
私は来たこと知らないもん。
だからあんなメール信じませんから。

休み時間にメールを送る。
「こちらお姫様。帰ったらプリンが食べたいの。」
授業中にメールが返る。
「こちら召使。冷蔵庫にあっただろ。」
そういえば、そうだっけ。
それにしても偉そうな召使。
帰ったら思いっきり叱ってやろう。
お姫様は本当は普通の女子高生。
召使は本当は普通の大学生。
このメールの中でしか、想いは叶いっこないんだ。
分かってる。
多分きっとあなたは、夢の人。
お姫様を迎えにくることは許されない、
万能な召使。

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