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管理人冬灯による日記です。

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2024/05/10 (Fri)                  [PR]
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2009/04/17 (Fri)                  さよなら君と笑っていた日々
調味料擬人化ブームが自分の中ですごいよ。
うっかり敵キャラにはまりそう。
ちゃんとまとまり次第サイトにコーナー作って何かやらかしてると思います。
生暖かい目で見てて下さい。

将来のことを思うと頭が痛くなります。
漫画を仕事にしていきたいと思っているけど、ほんとにできるのかなとも思ってます。
就活は、やっぱりするべきなんでしょうね…
でもずっと漫画一本で粘って頑張っていくというのもあるのかな。
だけど稼げないと描くこともできないしというか生活できないだろ、てなるとやっぱり…ううん。
じゃあ自分に何かできるの?と思うと何も思い浮かばない。
ほんと視野狭いというか何も考えてないというか。
考えるとこうやってぐるぐるして色々痛くなってくるから考えなかったんだろうか。
先延ばしってよくないね、うん。
やると決めたからにはやる。
うん、その為に大学入ったんだから。

追記につらつらと駄文。
ごめんどうしてもチビネタはやっておきたかった。
色々とシュールすぎるので名前出せなかった。
えっと…これ一応調味料擬人化の中のネタです。
これ名前伏せた方が楽しいかもしれないな(笑)




ふぅわりと、息を吹きかけるとぽこりぽこりと音を立てた。
小さな泡は小さな命になって、周りを漂いだす。
やがて風に吹かれて飛んでいく、小さな小さな彼らは少しずつ自ら増えて、やがて新たな命を生む。
そして旅立つ彼らを見届けて、また自分は新たな命を造っていく。

もうどれくらい作ったのだろう?
わからない、忘れてしまった。
空気のように漂う、増える、去っていく。
生み出す、何度でも何回でも。
こんなに作っても、満たされることはないと分かっているのに。
それでも、生み出す、漂う、増える、去っていく。
去っていく。

「―おにいちゃんはなにをしてるの?」
子供の声がして振り向くと、そこにいたのは真っ白な子供だった。
「このちっちゃいのはなに?」
「君、こいつらが見えるのかい?」
聞くと頷いた。
「いっぱいいるね、かわいいね」
「だろ?しゃべれはしないが可愛い奴らさ。俺はこいつらを作ってるんだ」
「すごいねぇ!」
キラキラした目をして見上げてくる子供と話をしながら、不思議な感覚に戸惑っていた。
ずいぶんと久しぶりになる、誰かとの会話。
喋り方を忘れてたかと思ったが、以外にもするすると言葉が出てきて会話は弾んだ。
子供は言葉にいちいち感心し、考え、笑う。
対する自分としてもなぜだか楽しくなって子供が喜ぶかと自分の知ってる色々な話をした。
なかなか会話は途切れなかった。

「おい、今日はこいつらと色々作ろうじゃないか」
いつものように子供と会い、生み出した小さいのとその辺で見つけたものを子供に示した。
「前に言ったように、このちっこいのは色々な種類があって、それぞれできることが違うんだ」
「うん!おれおぼえてるよ!」
「ああ。それで今日はお前にも協力してもらって新しいのを作ってみようと思うんだ」
「できるかなー?」
「できるさ。時間はかかるだろーが、のんびりやっていこうぜ」
「うん!なにができるのかなー?たのしみだねおにいちゃん!」
「ああ、そうだな」
ぐしぐしと頭を撫でて笑い合う。
ゆっくりとできあがっていくものを2人で観察しながら、他にも色々なものを作った。
きっとそれらもいつかこうやって笑ったり話したりするようになるだろう。
そうしたら、きっと、もっと賑やかになる。
そんな”いつか”のことを夢見てた、穏やかな日々のこと。




そんなもの、一睡の夢にしか過ぎないということを思い知るようになる。

「んー…こいつぁ失敗か…もうちょい分量を考えるべきだったか」
壺の蓋を開けてみると、どうにも失敗した様子だった。
子供は見たらがっかりするだろうな。
そんなことを思いつつ、でも今度は成功するように一緒に頭をひねろうと考えていた。
その時、ドヤドヤと押しかけてきた人間に囲まれ、眉をひそめた。
妙に張りつめた空気感。
その手には、赤々と燃える松明。
「…何?」
「お前か、俺達の食い物に変な細工をしたやつは!」
「は、」
「お陰で蔵の中身は全滅だ!食えたもんじゃねぇ、どうしてくれる!」
「な、俺はただもっと役に立つもんを作ろうと思って―」
「これのどこが何の役に立つ!?それにあの子まで誑かしおって…あの子も腐ったら俺達はおしまいだ!」
「そうだそうだ!お前が関わるとろくなもんにならない!」
「―っ」
自分のそばにいるだけで、起きることがある。
そうだ、もしかしたらあの子供にも何かが起きるかもしれない。
反論できず口をつぐむ内にも罵声は止まらない。
言葉を忘れたはずではないのに、声にならない。
間違ったことをしてきただろうか?
作ってきたものは、失敗したのもそりゃあ多かったけれども、でも必ず役に立つはずだ。
使い方がまだ分からないだけ、きっと気に入る。
言いたいのに、言えない。
聞いてくれない。
「こうなったら、もう最後の手段だ」
人間の一人が松明を高く掲げた。
「これ以上被害が広まる前に―全部、焼き払う」
「!?」
「そうだ、それがええ!」
「他のもんまで腐ったら、オラ達飢え死にするしかねぇ!」
「そうだ、やろう!」
「燃やせ!」
「燃やせ!」
「燃やせ!」
ごおぉぉっ
「…やめろ…」
火が燃え移る。
パチパチと音を立てて、小さいのが燃えていく。
―悲鳴が、聞こえた気がした。
「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――!!!」




ぱたぱたと軽い足音が近づいてきた。
「おにいちゃーんっどうなったー?」
明るい声を背中で聞いた。
「?おにいちゃん、どうしたの?…おにいちゃん?」
「…ごめんな、お前は早く家に帰りな」
「え?」
「俺はそろそろ行くわ。…色々楽しかったぜ、ありがとな」
「…どういうこと?どこにいくの?おれも―」
「駄目だ!」
大声を出すとビクリ、と震えた気配がした。
「―駄目だ、ついてくるんじゃねぇ、いいな?」
「そんなの、やだよぅ。おれもっとおにいちゃんといたいっ」
ぎゅ、と袖をつかまれる。
反射的に振り払う。
ハっとした時には遅く、子供は勢いで転んでこちらを見上げていた。
「…」
「…」
差し出そうとした手を、押しとどめて、唇を噛む。
そのまま背を向けて、歩き出す。
「…おにいちゃんは…おれのこと、きらいになったの…?」
ポツリと子供が呟いた言葉に、何も返せず、ただ前に進んだ。
振り向くことは、出来なかった。

子供が泣いていることを、分かっていたから。


ふぅわりと息を吹くと、ぽこりぽこりと音がする。
泡は命となって宙に漂いだす。
飽きるほど生み出しても飽き足らず、また作る、作る。
いつかと同じように。
いつかとは違う目的で。
誰かを喜ばせるためでなく。
―誰かを傷つける為に。
「アニキー!支度が整ったよ!」
「今日も絶好の侵略日和だべ」
「アタシもチョーやる気マンマン、みたいな感じぃ」
自分を慕う面々を見渡して、いつものように不敵に笑う。
「よぉーし、そんじゃ今日も盛大に暴れて、人間どもを苦しめてやるか!」
「それにウザったいあいつらも!だよね、アニキ♪」
「―ああ、当然だろ?」
一瞬頭をよぎる過去に、惑わされることはない。
そんなもの、復讐心をさらに燃やす糧となるだけ。
そしてまた、言葉ではなく刃を交わす。

全ては灰になってしまった過去のこと。
笑い合うことは、もう二度とない。
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